正弦定理、余弦定理、三平方の定理
現場の地形を正確に把握し、座標に落とし込むための最も強力なツールが「三角形」の計算です。

三平方の定理(ピタゴラスの定理)
直角三角形における「斜辺(最も長い辺)」と、他の「2つの辺」の長さの関係を表した法則です。2つの辺の長さがわかれば、残りの1つの辺の長さを確実に導き出すことができます。
1. 計算条件
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対象となる三角形の1つの角が90度(直角)であること。
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3つの辺のうち、2つの辺の長さが判明していること。
2. 基本計算式
直角を挟む2辺の長さを a、b、斜辺の長さを c とすると、以下の式が成り立ちます。
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a^2 + b^2 = c^2
斜辺cを求める場合の変形
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c = SQRT( a^2 + b^2 )
3. 計算手順
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直角の確認: 現場の地形や図面上で、計算したい三角形が直角三角形であることを確認します。
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既知の辺の整理: わかっている2つの辺が「直角を挟む2辺」なのか、「斜辺とそれ以外の1辺」なのかを整理します。
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式への代入: 求める辺に合わせて基本計算式を変形し、数値を代入して計算します。
4. 実務上のポイント
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現場での直角出し(3・4・5の法則): 各辺の比率が「3:4:5」になる三角形は必ず直角三角形になります。
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丁張などで、現場に正確な90度を作りたい時、巻尺一つで簡単に直角を出すことができる測量の必須テクニックです。
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高低差の計算: 2点間の「水平距離」と「高低差」を2辺とすれば、レーザー測距儀などで計測した「斜距離」を検証することができます。
正弦定理(サインの定理)
三角形の「各辺の長さ」と、その向かい側にある「角度のサイン(正弦)」の比率が、どの辺と角の組み合わせでも常に等しくなるという法則です。
1. 計算条件
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三角形の形状は問いません(直角でなくてもOK)。
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「1つの辺の長さ」と「2つの角度」が判明していること。
※三角形の内角の和は180度なので、2つの角度がわかれば残りの1つの角度も自動的に計算できます。
2. 基本計算式
三角形の3つの角度を A、B、C、それぞれの向かい合う辺の長さを a、b、c とすると、以下の式が成り立ちます。
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a / sin A = b / sin B = c / sin C
3. 計算手順
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角度の算出: 測量機(トータルステーション等)で観測した2つの角度から、必要であれば残りの1つの角度を求めます(180度 - 観測角1 - 観測角2)。
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ペアの特定: 「長さがわかっている辺」と「その向かいの角度」のペアを見つけます。
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比例式の構築: 求めたい辺とその向かいの角度を式に当てはめ、方程式を解きます。
4. 実務上のポイント
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鋭角すぎる三角形に注意: 測量した角度が小さすぎる(およそ30度以下)、または大きすぎる(150度以上)場合、わずかな角度の観測誤差が、計算後の距離に大きな狂いを生じさせます。
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正弦定理を使う際は、なるべく正三角形に近いバランスの良い観測網を組むのが精度を保つコツです。


余弦定理(コサインの定理)
三平方の定理を、直角以外のあらゆる三角形にも使えるように拡張した法則です。2つの辺の長さと、その間の角度から、向かい側の辺の長さをズバリ計算できます。
1. 計算条件
三角形の形状は問いません。以下のいずれかの条件が揃っていること。
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「2つの辺の長さ」と「その間の角度」が判明している(残りの1辺を求める場合)。
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「3つの辺の長さ」すべてが判明している(角度を求める場合)。
2. 基本計算式
三角形の角度を A、B、C、それぞれの向かい合う辺の長さを a、b、c とします。
辺 c の長さを求める場合:
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c^2 = a^2 + b^2 -2ab cos C
角度 C を求める場合の変形:
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cos C = ( a^2 + b^2 - c^2 ) / 2ab
3. 計算手順
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目的の明確化: 「未知の距離」を求めたいのか、「未知の角度」を求めたいのかを決定します。
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条件の確認: 「2辺とその間の角」がわかっているか、または「3辺」がわかっているかを確認します。
4. 実務上のポイント
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見えない2点間の距離を測る: 障害物があってA点からB点へ直接距離が測れない場合でも、離れたC点(機械点)から「C〜Aの距離」「C〜Bの距離」「A〜C〜Bの間の角度」を測れば、余弦定理でA〜B間の距離を机上で正確に算出できます。
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現場での確認作業を大幅に減らすことができる強力な手法です。