角度単位の変換
測量において、角度は用途に応じて異なる単位で表現されます。トータルステーション(TS)での観測や図面表記では直感的な「度分秒(60進数)」が使われます。
一方、座標計算や内部の三角関数処理では「ラジアン」が必須となります。なお、その両者を橋渡しする計算用の中間データとして「度(10進数)」が用いられます。

1
計算条件
-
角度の範囲: 原則として 0°≦θ < 360°(又は、0 ≦ θ < 2π)の範囲で扱います。
-
円周率 (π): 計算精度を確保するため、プログラム言語に組み込まれた定数を使用します。
-
符号の扱い: 測量では、右回り(時計回り)を正とし、360°を超える場合には360° を引いて補正します。
2
基本計算式
-
ラジアン: R
-
度(10進数): D
-
度分秒(60進数): 度を d、分を m、秒を s とします。
ラジアン ⇔ 度(10進数)
-
度(10進数)からラジアン:R = D × π / 180
-
ラジアンから度(10進数):D = R × 180 / π
度(10進数) ⇔ 度分秒
-
度分秒から度(10進数):D = d + m / 60 + s / 3,600
-
度(10進数)から度分秒:
-
度(d):Dの整数部分(切り捨て)
-
分(m):(D - d) × 60の整数部分(切り捨て)
-
秒(S):((D - d)× 60 - m)× 60
-
3
計算手順
-
観測データの入力 (度分秒): 例として 125°30' 45'' を取得。
-
10進数への変換: 125 + (30 / 60) + (45 / 3,600) を計算し、10進数の 125.5125° を求める。
-
ラジアンへの変換: 125.5125 × ( π / 180) を計算し、約 2.1906 ラジアンを得る。
-
座標計算の実行: 求めたラジアン値を、サイン (sin) やコサイン (cos) などの関数に代入して距離や座標を算出する。
※ 逆の計算(座標から角度を求めて画面に表示する)を行う場合は、上記の手順を逆に実行します。
4
実務上のポイント
丸め誤差による「繰り上がり」に注意
-
「設定」「小数点以下の桁数(例:3桁)」「丸め処理(例:四捨五入)」の場合には、59.9999'' が 60'' に繰りあがります。
-
「設定」「小数点以下の桁数(例:3桁)」「丸め処理(例:切り捨て)」の場合には、59.9999'' は 59.999'' になります。