三角形の面積計算
測量現場において、多角形の面積(求積)を算出する際、基本となるのが三角形への分割です。現場で取得できた観測データ(距離・角度)の条件に応じて、以下の3つの計算手法を使い分けます。

ヘロンの公式(3辺の長さから求める)
角度の観測を行わず、3つの辺の「距離」データのみから面積を算出する最もポピュラーな手法です。巻尺(コンベックス)のみを用いた簡易測量や図面上で三斜法を用いて求積を行う際によく用いられます。
1. 計算条件
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三角形のすべての辺の長さ(a、b、c)が判明していること。
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任意の2辺の和が、残りの1辺よりも長いこと(三角形が成立する条件)。
2. 基本計算式
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s = ( a + b + c ) / 2
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S = SQRT (s (s - a)(s - b)(s - c))
※S: 面積、a, b, c: 辺の長さ
3. 計算手順
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対象となる三角形の3辺の長さを測定(または図上から取得)します。
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3辺の合計を2で割り、媒介変数 s を求めます。
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公式に s と各辺の長さを代入し、平方根(ルート)を解いて面積 S を算出します。
4. 実務上のポイント
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角度データが不要なため適用範囲が広いのが特徴ですが計算過程でルート(平方根)を用いるため、手計算では計算ミスが起きやすいという弱点があります。
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現場では、スマートフォン等の計算アプリを活用してスピーディかつ正確に処理することでヒューマンエラーを防ぐのが確実です。
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高低差の計算: 2点間の「水平距離」と「高低差「斜距離」を検証することができます。
2辺と夾角
トータルステーション(TS)を用いた放射観測データと最も相性が良い面積計算手法です。器械点から2つの測点までの距離とその間の水平角(夾角)が分かれば、残りの1辺(対辺)を測距せずに面積を求められます。
1. 計算条件
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隣り合う2辺の長さ(a、b)が判明していること。
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その2辺に挟まれた内角(夾角 θ)が判明していること。
2. 基本計算式
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S = 1 /2 × ab sin θ
※S: 面積、a, b: 2辺の長さ、θ: 2辺に挟まれた角度
3. 計算手順
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器械点から2点までの斜距離または水平距離を測定します。
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該当する2点間の水平角を測定します。
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角度 θ の正弦(sin)を求め、2辺の長さと掛け合わせて2で割ります。
4. 実務上のポイント
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放射法による現況測量や境界測量での面積計算における基礎となります。


1辺と両端の内角
河川の対岸や立ち入り困難な場所にある点の面積を求める際など、直接距離を測れない(測距できない)状況で威力を発揮する手法です。既知の1つの基準辺(基線)から、対象点へ向けて角度のみを観測する「前方交会法」の考え方を応用しています。
1. 計算条件
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基準となる1辺の長さ(c)が判明していること。
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その辺の両端から、目的の頂点を見込む2つの内角(A、B)が判明していること。
2. 基本計算式
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S = c^2 sin A sin B / 2 sin(A + B)
※S: 面積、c: 1辺の長さ、A, B: 辺 c の両端の内角
3. 計算手順
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現場に基準となる基線(辺 c)を設け、その距離を正確に測定します。
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基線の両端点に器械を据え、対象点(第3の頂点)に対する内角 A および B を観測します。
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公式に各値を代入して面積を算出します。
4. 実務上のポイント
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距離を1箇所しか測らなくて済む利点がありますが、角度の観測精度が面積の計算結果にダイレクトに影響します。
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特に、交角(第3の頂点の角度)が鋭角になりすぎる(細長い三角形になる)配置では誤差が大きくなりやすいため、可能であれば正三角形に近い網形になるよう基線を設定するのが精度確保のコツです。